どうも、さばっちょです。
私は転職エージェントで働く現役転職コンサルタントです。年間約60の転職支援を行っています。
今回は、若手の転職コンサルタント向けに、企業へ求職者をご推薦する際に必要な推薦状に関する内容を記載しています。
「推薦状は必要だと思うが、何を書けば良いか分からない」
「推薦状にはどんな価値があるの?」
など、推薦状に関してお悩みの方に、少しでも参考になればと思います。
履歴書や職務経歴書から必ず読み取って欲しい情報や、読み取りにくいアナログな情報を記載する
企業は応募者の履歴書と職務経歴書をチェックして書類選考結果を出しますが、履歴書と職務経歴書をチェックする時間は2分程度と言われています。
よって、推薦状には、履歴書と職務経歴書をさっと見ただけでは上手く伝わらない(可能性が高い)情報を補填する役割があると考えてください。
転職エージェントが書く推薦状によって、最終的な書類選考の合否が決まるケースもあります。
強調したい実績やエピソード、人柄など、文面だけでは伝わらない、アナログな情報を記載することを心がけましょう。
キャリアにおける選択理由について記載する
「大学を選んだ理由」
「大学から大学院に進学した理由」
「新卒の企業を選んだ理由」
など、これまでのキャリアを選択してきた理由・背景を記載することで、求職者の価値観や思考性を自ずと伝えることができます。
特に一貫して同じ考え方でキャリアを選択してきている人は、納得性も増すため、記載することで書類選考通過に向けた強力な後押しになる可能性もあります。
面談時には必ずキャリア選択理由を確認し、推薦状に記載できるよう準備しておきましょう。
具体的な実績や評価ポイントを記載する
就職してからの経験や、(第二新卒など若手の場合)学生時代の経験など、特にアピールしたい実績や評価された内容は必ず確認して推薦状に記載しましょう。
職務経歴書に記載されている実績は、結果のみが記載されていることが多く、結果を出すまでのストーリーについて把握することは困難なケースが多いです。
よって、推薦状によって補完しましょう。
推薦状への記載方法は、当時の課題→課題解決に向けて工夫した行動→結果の流れで記載すると良いでしょう。
尚、実績や評価ポイントを教えてくださいと聞いても、自分のことを自慢げに伝えることが苦手な人は多く、「そんな話せるような実績は無いです…」と感じて、話しにくい雰囲気になってしまうことが多いです。
よって、実績を確認する際は、「表彰されたなど大きな話だけでなく、例えば自分が工夫したことでお客様からお褒めの言葉をもらえたことなど、身の回りで起きた何気ないことでも良いので教えてください」とハードルを下げて確認することを心がけてください。
自分自身では一見大したことが無いと思って話の中に、大きく評価されるエピソードが詰まっていることが多いですので、我々転職エージェントはプロとして求職者の実績内容をしっかりと引き出し、推薦状に落とし込んでいかなければなりません。
人柄についてエピソードを交えて記載する(エピソードから人柄が類推されるような記載がベスト)
企業の人事担当者は、履歴書や職務経歴書から人柄まで想像することは難しく、転職エージェントの推薦状の中で人柄に関してチェックすることが多いです。
よって、人柄が上手く伝わるように推薦状を記載することは、人材紹介会社のコンサルタントとして非常に重要なミッションです。
人柄を記載する際に注意したいのは、
「行動力があります」「分析力があります」
など、伝えたい人柄を言葉だけで伝えるのではなく、具体的な行動について記載し、その行動から読み手に〇〇力があると伝わるように記載することです。

例えば、「叶えたい夢に近づくと考え、1年間業務後に大学に通い、○○の資格を取得されています」と記載するだけで、努力家であることやタフネスであることが書かなくても伝わります。
尚、求職者と面談した際に感じた雰囲気なども人柄を表す重要な情報となりますので、所感として記載しましょう
転職理由は相手の受け取り方を考えて慎重に記載する
転職理由は、「また同じ理由で辞めないか」とリスクを感じている企業にとって最も気になる情報の一つです。
素直に事実を伝えるのは勿論なのですが、言葉は難しいもので、言葉の表現の仕方によって、捉え方が異なってしまう可能性があります。
よって、転職理由を記載する際は、読み手がどのように受け取るか、慎重に言葉を選ぶ必要があります。
例えば、「嫌」という言葉と「自分には合っていない」という言葉は同じ意味でも受け取り方は異なると思います。
このように、どのような言葉を選ぶことが適切であるか考え抜くことも我々にまとめられるスキルです。
初めのうちは、自分一人で完結せず、先輩など他の人に添削してもらうようにしましょう。
転職における絶対条件など、最終的な意思決定において必要な条件があれば記載しておく
「現職のプロジェクトの関係でどうしても入社日は●月以降でないと難しい」
「家庭の事情でどうしても一定額以上のオファーでなければ転職できない」
など、最終的な意思決定時に必ず必要な情報は、口頭で伝えるだけでなく、前もって推薦状に記載して伝えておくとベストです。
「そんなストレートに記載したら書類選考で落ちてしまうのでは?」と感じた方もいるかも知れませんが、絶対条件が叶わないのであれば逆に書類選考で落ちた方が求職者のためになります。
尚、企業に推薦をする際に気をつけるべき点が気になる方には以下のブログもおすすめです。
最後に
推薦状は必要な情報を正しく書くことで、企業や求職者にとって、非常に価値のあるものとなります。
転職のプロとして決して手なりにならず、一言一句考えながら丁寧に記載しましょう。
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