はじめまして。さばっちょと申します。
私は20代の頃、金融機関から転職エージェントに転職しました。
転職して約7年経ち、リクルーティングアドバイザー(RA)、キャリアアドバイザー(CA)、マネージャーと、転職エージェントにおける一連の業務を経験しています
私にとって転職エージェントの仕事は、今やライフワークとなっており、将来に渡り携わり続けていきたいと思っています。
ただし、初めからライフワークと言えるほど好きであった訳ではありません。
何度も辞めたいと思うくらい悩み、苦しんだ時期もありました。
そこで今回は、約7年間、死に物狂いで転職エージェントの仕事と向き合い、得ることのできた自らの経験の中から、これから転職エージェントの仕事をはじめる方に知っておいて必ず損はない情報を記載しています。
「転職エージェントの仕事って何が面白いの?」
「転職エージェントに入社する前に何を勉強しておけば良いか知りたい」
「転職エージェントで活躍するためにはどのようなスキルが必要なのか知りたい」
など、転職エージェント業界について情報を集めたいとお考えの方に、少しでもお役に立てればと思います。
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転職エージェントの仕事が面白い5つの理由

転職エージェントと聞くと、
「労働集約型の仕事で、残業が多く激務である」
「ルーティンワークが中心で、ノルマも多く、3年もしたら飽きる」
などネガティブな情報も多いよう思います。
確かにはじめは学ぶことが多く、大変かと思います。
しかし、転職エージェントの仕事は、苦しい時期を乗り越えると
「無駄なストレスが非常に少ない仕事である」
と気づくことができます。その理由としては、以下5つ記載したいと思います。
幅広い分野に対して知識が増え、視野が広がる
転職エージェントの仕事をはじめると、まず初めに驚くことは、
「世の中にはこんなに多くの企業や事業、仕事があるのか」
ということです。
転職エージェントの仕事は、様々な業界や規模の企業をふかん的に眺めることができるため、真剣に1年間転職エージェントの仕事に打ち込めば、 幅広いジャンルの仕事について基本的な内容の理解ができるようになります。
極端な話、どのような業界の人とも、基本的な会話ができる状態になっているのです。

20代など若い方であれば、同年代の人よりも圧倒的に知識量が増え、驚かれることも多いと思います。
どんな経験も全く無駄にはならない
転職エージェントの仕事は、どんな経験も無駄になりません。
例えば、キャリアアドバイザー業務では、年齢、学歴、職種、経験、家族構成、趣味など、毎回全く異なる経歴の方とお会いし転職支援をします。
つまり、自分の人生経験が増えれば増えるほど、相手への理解力・共感力が増すため、信頼関係が構築しやすくなっていきます。
例えば、趣味が近い、地元が同じ、子供の年齢が同じ、経験してきた境遇が似ているなど、何かしら共通点があると相手との距離が一気に縮まり、本当の意味で相手を理解でき、信頼関係が強固なものとなっていきます。

私も結婚したり、子供ができたりしてはじめて、相手を理解できるようになったこともたくさんありました。
大手企業には絶対に勝てないといった、「見えない力」が働かない
世の中の多くの営業場面において、同じ商品・サービス内容であっても「大手の方が安心」など、自分ではどうしようもない理由=見えない力によって競り負けることは珍しくないと思います。
しかし、転職エージェントの業務において見えない力が発生することはありえません。
なぜなら、企業は、良い人材を採用できるならどの転職エージェントから採用しても良いと考えており、結果的に企業や求人を正確に理解し、マッチした候補者を紹介してくれる転職エージェントを評価するためです。
つまり、転職エージェントの仕事は、会社の看板ではなく自分の力で勝負でき、努力次第でガリバー企業にも勝つことができるということです。 努力が結果を裏切らないとも言えるかと思います。
私自身、大手転職エージェントで勤務したことはありませんが、担当企業におけるキャリア採用シェアで、1位の会社が複数あります。いずれの企業も、誰もが知る超優良企業です。この事実からも、会社の看板で勝負が決まる仕事ではないということがわかるかと思います。
最近では珍しい、三方よしのビジネスである
転職エージェントの仕事は、そのすべてにおいて人と人が関わります。
つまり、関わるすべての人の満足感・納得感無くして、良い結果が出ることはありえません。
採用する企業、転職する求職者、双方において妥協はあり得ません。
例えば、非常に信頼関係の強固な取引企業があったとします。その企業が「○○さんにはお世話になっているし、今は採用ニーズはないけど特別に採用します」とは絶対になりません。
また、求職者とのやり取りにおいても同様です。どれだけ求職者と仲が良いとしても、「○○さんにはお世話になっていますし、転職します。ただ半年後には辞めますよ」など、大切なキャリアを汚すようなことは絶対にしません。
つまり、企業と求職者、いずれに対しても極めてまっとうに仕事をすることができます。また、良い結果を出せたとき、企業と求職者のどちらから直接感謝の言葉をもらうことができ、成功報酬もいただけるという、まさに三方よしのビジネスです。
世の中に多くの仕事がありますが、ここまで三方よしを実感できる仕事は少ないと思います。

私が1社目の金融機関を退職して本当に良かったと思えたのは、この三方よしを実感したときでした。
顧客と対等に付き合える=顧客を選べる
ほとんどのビジネスでは、顧客を選ぶことはできません。
いつも無理難題を押し付けてくる、まったくWIN:WINではないような顧客であっても、昔からの関係やしがらみによって付き合わなくてはならないのが現実です。
しかし、転職エージェントの仕事は、初めから企業や求職者からお金をもらうことがないため、顧客を選ぶことができます。(後半に紹介しているリテーナー型の場合は事前にお金をもらいますが)
例えば、ある会社で、採用した人材を全く教育せず、社風に合わなければすぐに辞めさせるような、人を大切にしない会社であるという事実が判明した場合、取引を辞めるという選択が自由にできます。
一般的な礼節を踏まえつつも、顧客と対等に接することができることは、想像以上にストレスがありません。まっすぐ顧客を向いて仕事がしたい方には非常にマッチしていると思います。
まとめ
転職エージェントの仕事が面白い理由をまとめておきます。
①圧倒的に知識量が増え、視野が広がる
②良いことも、悪いことも…どんな経験も決して無駄にはならない同じ
③みんなスタートラインが同じ!大手には勝てないといった、「見えない力」が働きません!
④関わるすべての人から喜ばれる、 最近では数少ない、三方よしのビジネス
⑤顧客と対等に付き合える=顧客を選べる
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転職エージェント業界の仕組み|3つの基本情報

転職エージェントには一般登録型、サーチ型、アウトプレイスメント型3つの種類がある
転職エージェントには3つの種類があります。それぞれの特徴については知っておくと良いので、以下記載しておきます。
一般登録型人材紹介会社は「成功報酬型」
転職エージェントで最もポピュラーなビジネスモデルです。企業としては初期投資なく利用でき、採用が決定した際に成功報酬としてコンサルティングフィーを支払います。
仕事の進め方は転職エージェントの会社規模によって異なることが多いです。
大手転職エージェントでは、営業とキャリアアドバイザーは分業で行っているケースが多いです。
営業とキャリアアドバイザーの両方を経験できるのはまれで、どちらかの専任となることが大半です。
一方、中小・ベンチャー規模の転職エージェントでは、営業とキャリアアドバイザーの両方を一人のコンサルタントが担う両面型のケースが大半です。
大手転職エージェントに多い片面型に比べて、両面型は業務範囲が2倍に広がるため、忙しさは間違いなく増すと思います。
しかし、両面型は転職エージェントの仕事を1から10まで全て一人で完結できるため、早期に転職エージェントの仕事を学びたい人にはオススメです。
最近、企業や求職者から、「あなたは片面型ですか?両面型ですか?」と聞かれるケースが増えています。そして皆求めているのは両面型です。
片面型であると、企業情報や求職者情報がどうしても薄くなってしまうため、ミスマッチが起こりやすいと感じるようです。
サーチ型人材紹介会社「リテーナー型」
リテーナー型のモデルには、一般登録型人材紹介会社のように成功報酬のみのビジネスモデルとリテーナーフィー(着手金)+成功報酬という、事前にコンサルティングフィーを請求するビジネスモデルがあります。
仕事の進め方は先ほどお伝えした両面型です。
アウトプレイスメント型人材紹介会社「再就職支援型」
規模縮小、倒産などで人員整理が必要な企業が、転職エージェントと提携し自社社員を外部へ送り出すビジネスモデルです。
既存社員の活用については悩んでいる企業も多く、ニーズはあります。
リクルーティングアドバイザー(RA)=法人営業 、キャリアアドバイザー(CA)=個人営業
転職エージェントには大きく分けて2つの職種があります。それぞれの業務の違いについて具体的な業務内容にも触れながら説明していきます。
リクルーティングアドバイザー(RA)=法人営業
転職エージェントの仕事は、企業から求人を頂くことでスタートします。
よって、ビジネスの入り口を作り出すのが営業の仕事です。
訪問先は企業人事がメインですが、求人発注元の部門担当者や、部門長、中小企業やベンチャー企業の場合、経営者に直接ヒアリングなんてこともよくあります。
企業から求人を発注してもらえれば、求人票を作成し、社内・社外に流通します。
そして最終的には求人票のターゲットにマッチした人材を集め、企業へ紹介し、入社まで繋げることミッションです。
尚、求人票は、営業場面でヒアリングした内容によって作成されるため、最もオリジナリティ溢れる仕事であり、それだけに営業によって大きく違いが出る仕事です。実際、営業担当者によって採用成約数(結果)に大きな差が出ますが、その最も大きな理由は、求人票の質に尽きます。また、作成した求人票をいかにキャリアアドバイザーに分かり易く伝えるかという広報技術も非常に重要です。
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キャリアアドバイザー(CA)
求職者との面談を通じて、求職者の希望や思考性にマッチした求人を紹介します。また、履歴書、職務経歴書といった応募書類の作成アドバイス、面接アドバイス、退職交渉など、入社当日まで求職者に寄り添ってトータルにサポートします。
キャリアアドバイザーの役割は、的確な質問を通じて、求職者自身が気づいていない答えを見つけ、一緒に考えていくことです。
面談は対人スキルだけでなく、転職市場に関する知識や、企業・求人票に対する情報提供力など、多くのスキルが求められるため、非常に奥が深いです。
求職者との面談形式は、直接お会いする対面形式と電話面談形式の2つがあります。
最近は求職者の方の業務が忙しくお会いするまでにかなりの時間を要することや、新型コロナウイルスの影響もあって、電話面談形式でのサポートが増えています。
正直、コンサルタントとしての質が上がってくると、対面形式、電話面談形式いずれにおいての提供価値に大きな差はありません。ただ、キャリアアドバイザーをはじめたばかりの方は対面形式の方が求職者との信頼関係が構築しやすくなる傾向があるため、オススメです。
実際のところ、キャリアアドバイザーは求職者との面談数が非常に多いため、対面形式での実施は物理的に難しく、電話面談形式を中心に実施している会社が多いです。
目標設定方法は「コンサルタントフィー(成功報酬)の金額」or「採用人数」の2種類
目標設定方法は企業によって異なりますが、大きく分けると以下2種類です。
コンサルタントフィー(成功報酬)金額
コンサルタントフィー(成功報酬)の合計金額によって目標を設定する方法です。実売上に近く一般的です。
尚、金額は、両面(営業もCAも自分一人が担当)の場合と、片面(営業とCAのいずれかのみ自分が担当)の場合で、異なるケースが多いです。
両面の場合は、自分自身で企業と求職者対応のすべてを行うため、成功報酬の全額を売上計上します。片面の場合は、半分の業務量となるため、成功報酬の半額を売上計上します。
尚、成功報酬は理論年収×フィー(30〜35%)が一般的です。
採用人数
あまり多くはありませんが、目標を金額ではなく、採用人数で設定する方法です。
成功報酬金額を目標とする場合、金額の高い会社へ誘導してしまうなど、私利私欲が出てしまう可能性があります。しかし採用人数を目標とすれば金額は関係なくなるため、私利私欲が働きにくくなるメリットがあります。
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転職エージェント業界の歴史を学んでおこう

転職エージェント業界に関係する法律は何度も変更されています。完全に覚えておく必要はありませんが、頭の片隅には入れておいて損はないため、記載しておきます。
転職エージェント業界の歴史
1947年 職業安定法制定(転職エージェントの業務は職業安定法に定められた範囲で行われていました)
1964年 民間の事業者によって有料紹介できるようになりましたが、職種は下記に限定されていました。
コ・・・コンサルタント
サ・・・サイエンティスト
ツ・・・通訳
モ・・・モデルデザイナー
※コサツモで覚えておきましょう!
1985年 労働者派遣法成立
1997~1999年 規制緩和
・ 適用業務の原則自由化に伴いネガティブリスト(港湾運送業務と建設業務)以外は紹介可能になりました。
・有料職業紹介事業の申請届出簡素化
2000年 紹介予定派遣解禁
2002年 手数料上限撤廃
2004年 改正職業安定法
※改正点について一部記載
・事業を行う上での許可申請方法の変更
改正前: 事業所ごと
改正後: 事業主ごと(本社で許可が取れれば、事業所は取得しなくてもよくなりました)
・兼業禁止撤廃

兼業禁止が撤廃となり、民営職業紹介事業所数は右肩上がりで増えています。
民営職業紹介事業所数 (2017年度)
有料職業紹介事業所 20,783所(東・名・阪エリア中心)
無料職業紹介事業所 1,083所
コンサルティングフィー(成功報酬)の推移
1995年頃まで
・技術者 210万
・事務系 196万

なんと、固定の金額でした。
バブル崩壊後
・理論年収×35%
2000年以降
・理論年収×30%

昨今は、好景気の時期に理論年収×35%に契約変更した転職エージェントも増えていると思います。
転職エージェントで活躍するための必須スキル

転職エージェント業界で活躍するためには、以下2つのスキルが重要であると考えます。
以下2つのスキルが掛け合わされることで「最短距離で成長」できます。
コミュニケーションスキル・・・傾聴、共感、想像、分析、仮説、提案
コミュニケーションスキルは、顧客と信頼性をつくる上で必須のスキルです。 顧客と実際のビジネスの場で習得することがほとんどですので、顧客との接点回数が成長に大きく影響します。
尚、上記スキルのいずれも欠けてはいけない基本スキルですが、転職エージェント業界では3年程度経験すると忘れてしまう人が多いように感じていますので、注意が必要です。
知識・・・顧客業界、職種、労働法規、経済動向、心理学など
顧客業界・・自身が担当する顧客の業界から勉強をスタート
職種・・ 自身が担当する顧客の求人職種から勉強をスタート
労働法規※
経済動向※
心理学※
※については独学で習得できる内容です。すぐには必要とはなりませんが、将来的にこの知識があるのとないのとで実力に大きな差が出てきます。毎日一つテーマを決めて勉強してみましょう。
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最後に…諦めずに3年続ければ必ず面白みに気づきます

転職エージェント業界は、素晴らしい能力を持った人でも、すぐに成果が出ないため、途中で諦めて辞めてしまう人が多いのが現状です。
また、必要以上に細かなプロセス目標を設定し、プロセス目標の達成を目的としてしまうマネジメントによってく、やる気を失い辞めていく人も多いです。
私は、転職エージェントの仕事は、1年程度では本当の面白みには気づけないと思っています。
なぜなら、初めて成果が出るのに、平均3ヶ月から半年はかかりますし、覚えることも非常に多く、奥の深い仕事であるからです。

私自身、転職して1年間は、仕事が面白いなんて口が裂けても言えませんでした。
転職エージェント業務の本当の面白みを知りたいは、少なくとも3年は諦めずに信じて続けてください。
そうすれば、いつの間にか転職エージェントの仕事以外をするなんて考えられないくらい、のめり込んでしまうと思います。
転職エージェントは、世の中のためになってると日々実感できる、素敵な仕事です。
ご縁あって転職エージェント業界で働くことになった方が、みな本当の面白みに気づくことを願っています。
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